2007年05月13日

【OCG】他人のデッキを分析する企画

少し前に、mhさん主催のネット大会がありました。
この優勝したデッキというのが
あまり見かけない面白いデッキだったので
作成者でもなく参加者ですらない俺が勝手に分析しようという記事ですw

ちなみに、このデッキとは何回か戦ったことがありますが
単純なビートダウン系のデッキに対してはかなり強いです。
下手に殴りに行くとあっさりライフを持っていかれるので注意しましょう^^

・デッキについて

まずはデッキレシピをもう1度。
モンスター(18枚)
溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム×2枚
名工 虎鉄
炎帝テスタロス×3枚
炎の精霊イフリート×3枚
サイバー・フェニックス×3枚
ヴォルカニック・エッジ×3枚
UFOタートル×3枚

魔法(12枚)
抹殺の使徒
大嵐
早すぎた埋葬
洗脳−ブレインコントロール×3枚
光の護封剣
強奪
ライトニング・ボルテックス
ハリケーン
スケープ・ゴート
サイクロン

罠(10枚)
和睦の使者×3枚
魔法の筒(マジック・シリンダー)
破壊輪
聖なるバリア−ミラーフォース−
激流葬
火霊術−「紅」×2枚
リビングデッドの呼び声

以下、考察。

≪概要≫

 このデッキの特徴は、ビートダウンとバーンを両立している点にあります。つまり、通常のビートダウンと同時にバーンを絡めることで、より早く相手のライフ(以下LP)をゼロにすることができるのです。
 また、それを実現するために、バーン色が濃い炎属性をメインに据えたデッキになっています。

≪戦術≫

1.基本的な動き

 大まかな動きとしては、デュエル全体を通して『モンスター展開をメインに相手のLPを削りつつ、要所要所でバーンカードを使う』という形になります。

 まずは、すぐ出せるモンスターを出して展開。その後、相手の動きに合わせて《洗脳》から《炎帝テスタロス》を展開したり、《炎の精霊イフリート》で追撃したりして、戦闘ダメージを狙っていきます。
 また、相手があまり積極的な動きを見せない場合は《ヴォルカニック・エッジ》や《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》で毎ターンこつこつとダメージを与えます。

 次に、バーン要素について。上記のモンスターによる攻防の際に《破壊輪》《魔法の筒》により、大きなダメージを与えます。それに加え《火霊術−「紅」》を使うことで、合計すればかなりのダメージを与えることになります。

 守りに関しては、一般的によく見る魔法・罠に加えて《スケープ・ゴート》《和睦の使者》×3という構成なので、かなり堅いです。

2.主なコンボ

●《洗脳》or《強奪》+《炎帝テスタロス》
 カードアドバンテージとライフアドバンテージの両方を取りにいける。また、「破壊されたとき」をトリガーとするモンスターに対しても有効。

●《洗脳》or《強奪》+《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》
 単純に大ダメージを狙えるコンボ。この後さらに《火霊術−「紅」》を使うことで計6000のダメージを与え、更に《炎の精霊イフリート》で攻撃することで射程LPが8000になるという脅威のコンボである。

●(モンスター全般)+《火霊術−「紅」》
 攻撃を介さずに、モンスターのATKと等しい値のダメージを与えるコンボ。ただし、カードアドを+2失うため、発動タイミングが重要である。具体的には、『相手の破壊カード等にチェーンして撃つ』『相手のLPをゼロに出来る場合に撃つ』のがメインとなる。

≪分析≫

では、なぜ強いのか。
強いデッキにはそれなりの理由があるはずです。
ここから下は、そういった考察になります。

1.《洗脳》でダメージを狙う

 実は、このデッキの強さは魔法のスペースに《洗脳》を3枚置いている点にあると思います。洗脳というカードは、生け贄確保の役割だけでなく、相手フィールド上のモンスターの攻撃力を、自分のモンスターの攻撃力に変換する役割も持っています。このデッキは、元々のコンセプトがダメージ重視のデッキなので、これ以上に無い適切なカードなのです。
 更に、その上で《炎帝テスタロス》や《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》とのコンボにつながるわけですから、デッキバランスとしても非常に良くなるわけです。

2.《洗脳》を使いこなす

 しかし、洗脳には『裏側表示モンスターには使えない』という大きな欠点があります。そうすると、裏守備モンスターに関してはこちらから攻撃していくか、もしくは除去していくことになりますが、それだと洗脳を使うことが出来ません。
 そこで、このデッキの主要コンボ以外の部分のデッキ構成が光ってきます。

 まず《ヴォルカニック・エッジ》。このカードは、放っておくと毎ターン500ダメージを与えるので、相手としては早く除去しておきたい → ATK1800であれば、ATK1900クラスのアタッカーなら戦闘破壊できる。つまり、モンスターで攻撃してきます。
 《炎の精霊イフリート》も、相手ターンにはATKが1700まで下がるため、やっぱり相手は戦闘破壊を狙ってくるでしょう。
 そして《サイバー・フェニックス》。このカードは、魔法・罠に耐性があって処理し辛い上、ATKも1200と低めなのでやはり相手はモンスターで攻撃してくるはずです。

 つまり、相手が必然的にモンスターで攻撃してくるようなデッキ構成になっているのです。そうなれば、返しのターンで奪って反撃することができます。

 それでも相手が攻撃してこなかったらどうするか。ここで出てくるのが《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》です。相手のモンを2体除去した上に、攻撃力3000のモンスターが表側表示で出てくるので、《洗脳》《強奪》を使うメリットが大きくなります。それが最終的に《火霊術−「紅」》とのコンボにつながるため、デッキ全体としての結びつきが強くなるのです。

 それから、《魔法の筒》と《和睦の使者》を多く採用している点。和睦の使者は、主にその守備能力が目立ちますが、実はもう1つ相手モンスターを破壊せずに残すという特徴があります。本来ならばアドバンテージの損に結びつく要素ですが、このデッキの場合は《洗脳》《強奪》につながるメリットの方が大きいため、違和感無く使えるのでしょう。《魔法の筒》についても同様で、こちらは更にダメージを与える効果も含んでいるため強力なサポートになります。
 また、LPを守ることで、《洗脳》が使えなくなってしまう事態を防ぐ役割もあります。

3.その他、戦術的な話

 以上のことを踏まえると、相手が早いうちに攻めてくるデッキに対しては強いと言えます。また、相手がじっくり守ってから攻めてくるデッキに対しても、こちらはバーンカードでコツコツをLPを削れる上、最終的に《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》を使った射程LP6000以上のコンボがあるため、ワンチャンスで決めることができます。
 また、《王宮のお触れ》により罠カードによるバーンを封じることはできますが、バーン以外の部分は完全にビートダウンであるため、お触れ1枚で完全に封じられてしまうことはないでしょう。

 余談ですが、『奪って生け贄にする』『ラヴァの生け贄にする』という行為は、「破壊されたとき」をトリガーとする相手モンスターにも有効であり、これが地味に響いてくるデッキもあると思います。

 弱点としては、メインに使っていくモンスターが《死のデッキ破壊ウイルス》で壊滅してしまうことが挙げられます。また、《王宮のお触れ》+《ホルスの黒炎竜 LV8》が揃った場合、解除する手段が《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》しか無い点も弱点になり得ます。
 それから、2枚以上のコンボ大きな役割を持つデッキなので、コンボを破ってくるデッキ(ハンデス系、カウンター罠系)には分が悪いかもしれません。
 このあたりはサイドデッキで対応する必要が出てくるでしょう。

≪総括≫

 以上で、分析を終わります。このデッキに限った事ではないですが、カード単体の視点ではなく、デッキ全体を通して繋がりを持っているデッキは非常に強いことが分かります。
 おそらく、このデッキと戦って負けたことのある人は、なぜ負けるのか分からない ということがあるかもしれません。《洗脳》+《炎帝テスタロス》が強い、とか《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》にやられたー、というイメージは持つはずです。しかし、本当に効いてくるのはその部分ではなく、デッキ全体の繋がりだということに気づくことが大切です。
posted by −Ark− at 18:25| Comment(6) | TrackBack(0) | OCG・デッキ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
デッキの作成・使用者としての視点で見たけど
知り合いだからとかそういったことを一切省いて見ても
非常に素晴らしい考察で感動した!
ここまで他人のデッキをよく見ていけて
それを的確な言葉で表せるのは一種の才能だと思うよ。

という感じでほぼ完璧な考察なんだけど
強いて一つだけ言わせてもらうならば…
バーンを主体に置くから炎になったのではなく
炎を主体に置いたから自然にバーンになったんだよね。ここだけ注意w

この形に辿り着くまで長い時が必要だったけど
こうやって考察をしてもらうまでになれて
本当に炎でやってきて良かったなあ、と思うよ
Posted by ヒロ at 2007年05月13日 19:35
ヒロのデッキにもあーくさんの考察にも、感動してしまいました。
安易な表現だけど、すごい!
Posted by ほいっする at 2007年05月14日 00:31
少し前にこのレシピを見た時、自分としてはかなりのインパクトを受けました。ここ1年くらいで1番感心したデッキですね。さすがヒロさん、自分にはこういうのは作れないなあ...
Posted by きると at 2007年05月14日 19:15
>>ヒロくん
 実は、合計で2時間ちょいかけて投稿した文章なので、それなりの評価がもらえて嬉しかった!

 >>バーンを主体に置くから炎になったのではなく
 そういえば意識してなかった・・・ むしろ、これはあくまで「分析だ」という意識でデッキを外から見つめるとそういう表現になったという落ちです。「炎属性を追求した結果、〜になったようです。」にすればよかったかも。正直すいませんでした><

>>ほいっするさん
 ありがとうございます〜 長い時間かけたかいがありました・゚・(ノД`)・゚・ しかし、デッキを作るためにはさらに長い時間がかかったんだと思います。

>>きるとさん
 長い間OCGをやっていると、自然とデッキ見ただけでどんなデッキかが読めてきますよね。実際に戦ってみると、完成度はそれ以上だということもあります。なかなか奥が深いものです。
Posted by −Ark− at 2007年05月16日 01:45
遊戯王オンラインでヴォルカニックが実装されたので、いいデッキレシピないかと探していたら、ここにたどり着きました。

実際使ってみて、いい感じです。

ただ、虎鉄が入っている理由がよく分からないのですが・・・。

炎属性とはいえ、サーチできるのが早すぎた埋葬と強奪だけですよね?

この2枚、生贄確保のためには重宝しますが、2枚の装備魔法カードだけだと機能しないことも多いのでは?

代わり入れるとしたらプロミネンスドラゴンあたりでしょうか?
Posted by RF at 2007年08月26日 08:26
>>RFさん
 いらっしゃいませ〜 3ヶ月前の記事なのに未だ検索にかかるというのが驚きです。ヴォルカニックのテーマデッキというには少々寂しいかもしれませんが、これと似たコンセプトで上手く動くと思います。(残念ながら次の制限で《強奪》、《洗脳》が大幅に規制されてしまいますが・・・)

>>虎鉄が入っている理由
>>2枚の装備魔法カードだけだと機能しないことも
 そのリスクを考慮しても、強奪or埋葬の両者を発動させたいと解釈できると思います。『機能しない』=『既に両者をドローしている』ということなので、機能しないときはしないときで既にキーカードが揃っていることが多いのです。
 ただ、このレシピはあくまで個人の一例なので、自分が良いと思ったら色々組み替えてみてください〜

>>代わり入れるとしたらプロミネンスドラゴンあたりでしょうか?
 このカードも、バーン要素を持っていて相手としては戦闘で破壊したくなるので、コンセプトとしては問題ないと思います。この辺りの微調整は実際に試してみるのが一番分かりやすいです。
Posted by −Ark− at 2007年08月27日 01:19
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